撮影会・イベントレポート

◆喜多規子先生のスライド&トークセミナーが開催されました。

テーマ「素敵な風景写真の表現術」

 

日時:令和8年2月1日 15:00~17:00

場所:日立システムズホール仙台 3階 エッグホール

講師:プロ写真家 喜多規子 先生

 

 恒例のセミナーは今年は喜多規子先生にお出でいただき、東風協会員外の方々も多数参加し、席が不足するほど盛況に行われました。

 喜多先生はアマチュア時代に各種フォトコンテストに入賞し、カメラ誌のグランプリや年度賞を受賞し、現在は審査員を務める一方で撮影に関する執筆活動も行うなど豊富な経験をお持ちで、私達アマチュア写真家の憧れの存在です。

 先生は明るく気さくな笑顔で登壇し、よく通る声で自身の美しい作品の一つ一つについて分かり易く解説し、私達受講者にとても参考になるテクニックや被写体の捉え方、フィルターの使い方などをレクチャーして下さいました。時間が足りなくなるほどの熱心な講義に参加者は皆大満足でした。

セミナーに先立ち竹内会長のあいさつ(中央が喜多先生) 

 

セミナーでは初めての催しとして、希望者の作品を公開で講評を行うという時間を設けました。今回は6人(6枚)の作品が取り上げられましたが、大勢の前で初見の作品を即時に解説しアドバイスを行うというプロならではの知見の深さに感心するとともに、アドバイスの中身としては写真の背景の処理や構図、不足している要素、余分な部分のトリミング、立ち位置の変化による改善策など具体的な指導が行われ、出品者のみならずセミナー参加者全員にとって実践的な指導になりました。ご協力いただいた6名の参加者にとってはとても記憶に残るセミナーになったことと思います。「自分の意図するところを汲み取っていただきありがとうございました」と感想を述べる方もいらっしゃいました。

 

講義は用意いただいた多数の作品を今の時期そしてこれからの季節、さらにはその次の撮影計画に向けてと私たちの撮影行動に参考になるよう冬・春・夏・秋の順番で解説いただきました。

 

冬の写真では夕陽を絡めて撮影できる数少ない滝である長野県の乙女滝や赤城山の霧氷、長野県の白川氷柱群などの作品が紹介され。いずれも撮影の時間帯が大事であり、時間帯がズレると雪や氷が白飛びを起こしたり、期待の色が出ないことなどアドバイスがありました。また、雪の質感を出しつつ夕陽の色を出すためにハーフNDを使っていることなどのテクニックの解説も加えられました。

 

春の写真では新城市三ツ屋の梅や山梨県身延山の枝垂れ桜、栃木県観音桜などの桜の写真の解説がありましたが、ここでは多重露光やマクロレンズの使い方、あるいは表現の幅を広げるためのシャッタースピードの選択の仕方などの解説も行われました。

右は身延山の枝垂れ桜です。

 奥の山のオレンジ色がこの写真の魅力。朝日で赤に染まった山がオレンジ色に変わる時を狙って撮ったものであり、手前は日陰でありつつ、奥は朝日が当たっているという印象的な色使いです。これのピント位置は手前が大きくボケるのは避けて真ん中にピントを入れているとのことです。

 また、新緑の被写体として秋田県秋扇湖の水没林などの作品が紹介されました。秋扇湖は上流の玉川温泉から流れるコバルトブルーの水面が美しく、水面のさざ波をとらえつつコバルトブルーの色をきちんと出すためにC-PLフィルターを調節して使っているとのこと。効かせすぎると水面がベタっとしてしまうので、最大限効かせてから少し戻すのがコツとのことです。

 なお、「新緑は始まったら変化が速いです。また年によって新緑になる時期も異なります。ここの新緑を撮るぞと決めたらならタイミングをよく見極めることが大事です」とのアドバイスもありました。

 

 夏の写真は光芒が主役。島根県赤馬(あかま)滝や熊本県小国町の夫婦滝など滝の飛沫に入る光芒や山梨県桂川の川霧に入る光芒など、非常に美しい写真が紹介されました。光芒を撮るときはスローシャッターで撮ることがコツ。秋田県の大柄の滝の解説では最終的な撮影までに様々な過程があったことが紹介され、光の入り具合・時間帯などで色の変化やコントラスト差の変化などで光芒の状況が目まぐるしく変化することを作例を通じて説明いただきました。左の写真は赤馬滝。光芒だけ撮っても良いが主役(枝垂れた木)を入れながら光芒は脇役として撮っている、とのことでした。

 

 

 秋の写真では新潟県いもり池の映り込みや栃木県小田ヶ原の霧氷の付いたカラマツなどが紹介されましたが、福島県裏磐梯の曲沢沼の紅葉も紹介されました。曲沢沼は東風協会員にとって定番の撮影場所と思いますが、殆どの人が狙う「順光の夕日に染まる山の紅葉の映り込み」をむしろ脇役に、手前の倒木を主役にした写真が紹介されました。このやがて朽ち果てる倒木にわずかに残る光で、晩秋の趣を存分に表現した作品になっていました。(右写真)

 これらの沢山の美しい作品を通して私が改めて感じたことは、風景写真は「光」であるということ。早朝や夕べに刻々と変化する光の強さや角度・色温度、加えて気象条件により発生する霧や霜・氷雪などを通る光が創り出す変幻自在の輝きなど、光を追うことの大切さを学んだ講演でした。

 左の作品は静岡県富士宮市田貫湖近くに広がるチカラシバ。チカラシバは穂が細かく分かれていて湿度の高いときにはたくさんの細かい水滴がつきます。夜明け前の霧が紫色に染まったほんの僅かな時間に富士山を遠景に入れて撮ったとのこと。ほんの一瞬の光りが創り出す美しい風景、そしてそれを写しとる確かな技術を実感する一枚だと感動ました。風景写真はまさに「photo(光)」「graph(描く)」なんだと改めて感じ入った次第です。

   

質疑応答では「風景写真を撮りに行くときに思い描いた状況でなかったときどうするか?」といった質問が出され、先生からは「気持ちの切り替えが大事。ちょっと視点を変えて次の被写体を探す、あるいは事前に「折角だからここにも寄ってみよう」といったリサーチをしておくなど対処法を考えておくことが大事」とアドバイスをいただきました。そういえば講演の中でも「撮影中に思いがけずに鹿やカモシカに出会い、普段は「動きモノ」は撮らないが、即座にオートフォーカスを犬猫瞳フォーカスに設定しフォーカスモードをAF-Cに変更して撮りました」という説明があり、臨機応変に対応する柔軟な姿勢と操作技術が大切と感じました。

 

 講演の最後に喜多先生が「写真の3つの楽しみ」として

 (1) 撮る楽しみ

 (2) セレクトする楽しみ

 (3) プリントして見せる楽しみ

を挙げておられました。(1)は楽しいけど(2)は面倒臭い、という人は多いですね。まして(3)となると東風協会員でも日ごろから実践している人は少数派なのでは?確かにプリントは機材に加えて多少の経験も必要であり、二の足を踏む人も多いのではないでしょうか?そのような方は人に見せる楽しみとして是非、東風協のホームページを活用していただきたいと思います。セレクトすることや人に見せることをしないと、せっかく撮った作品がパソコンに眠ったままで陽の目を見ないという事になってしまします。詳しくはホームページ内の「お問合せ」ページからご連絡ください。会員の皆さんの写真をもっともっと見てみたいと思っている人は多いと思います。(文:熊谷ナオシ)

 

喜多先生の講義を熱心に聞く参加者 

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◆前川彰一先生のスライド&トークセミナーが開催されました。

テーマ「風景写真の撮り方・追い詰め方」

 

日時:令和7年2月8日 16:40~18:30

場所:日立システムズホール仙台 3階 エッグホール

講師:プロ写真家 前川 彰一 先生

 

  プロの有名風景写真家をお招きし開催する恒例の東風協セミナーは、今年も多数の会員参加者に加え、会員外の一般写真愛好家も参加して開催されました。

 前川先生は当日に某有名写真雑誌の表彰式という重要な予定が入ったにもかかわらず、先約である当セミナーを優先して駆けつけて下さいました。また、当日は今シーズン最強の寒波が日本列島を襲う中、新幹線の大幅遅延というハプニングに見舞われ、多少の開始時間のズレはあったものの、お約束の時間たっぷりに講義下さいました。時折ユーモアを交えながら聴衆を惹きつけ、あっと言う間の2時間でした。

         参加者を前に講義される前川先生

 セミナー前半は「気合の入った写真を選んできました」という美しく印象に残る作品の数々を、春夏秋冬ごとに区切り、それぞれの撮影状況・撮影のポイント・苦労の裏話を話されました。この前半を通じて印象に残ったのは、納得いく被写体を作品として切り取るまでに何日でも、あるいは何年にもわたり通いつめモノにするという、被写体に対する向き合い方でした。

 例えば、一面のドクダミの花が咲く上を飛び交うゲンジボタルの写真は「カメラをセットし、あぁ蛍が来たなと思ったらチャッチャとシャッターを切れば誰にでも撮れる写真。ただ、簡単に撮れる写真だから良い作品にするには時間がかかる。今日持ってきた写真は限られた時期を3年間通って撮った一枚の写真です」と語っておられました。作品に対するこだわりを粘りと写真家としての自負でモノにした一枚なんだと感じ入りました。

 後半は「写真の追い詰め方」の講義でした。「追い詰め方」とは前川先生独自のやり方であり、「飾って飽きない美しい写真」から「全国に向かってチャレンジできる作品作り」の意のようで、心惹かれた被写体に出会ったときに「作品」へと作り上げるためのアプローチ法と理解しました。

 例えば普段は水の流れていないツツジが咲く岩場に、増量した水が流れ込み、「清冽な早瀬の中に咲くツツジ」という稀な風景に出会ったチャンスを、それを作品的にどう捉えたか、という実例を4枚の写真で示されました。記録写真的な最初の1枚から、撮る方向を変えたが説明的な写真、アップで撮ってみたが肝心の流れの表現がいまいちな写真、最後は一部分を切り取り流れも表現し、さらに谷の背景も入れて奥行きを出し構図を整え作品としての写真に仕上げたもの(写真は「総会開催ご案内」のページをご覧ください。ただし写真の順番は左上→右上→右下→左下の順です)。

 「要はこの被写体が面白いなと思ったらグルグル回ってみる。そして良いなと思ったら撮る。これで「撮れた!」と思って帰っちゃう人が殆どだけどそれじゃダメなの。さらに回って色々撮ってみる。今はデジタルなんだから枚数をケチらない。普段自分はこういうやり方の写真は撮らないなというのがあったら、なおさら撮ってみる。そうすると思いの外、自分なりの角度を見つけることができる」・・・被写体に入り込んでいくこのような姿勢は本当に肝に銘じたいと思います。

 最後に宮城県の風景写真家についてこんな感想を述べられていました。「色々なコンテストの審査員をやっているが宮城の人は熱心にやっておられるのになぜか挑戦者が少ない。写真には「撮りに行くというワクワク感の楽しみ」、そして「実際に撮る楽しみ」「プリントして作品に仕上げる楽しみ」がある。さらに「応募してみる」という楽しみも加わるのですよ。これだけの皆さんがやっておられるのだからもっと挑戦して良いと思います」。

 ダジャレ連発の愉快な講義でしたが、前川先生が時々こぼした感想が「皆さん大人しいなぁ、反応がないな」ということ。宮城県民のこの控え目な美徳(?)が挑戦にも影響しているのかもしれないな、と思った次第。前川先生の言葉を受けて皆さんコンテストにもっとチャレンジしてみませんか?自信をもって送り出した作品が元気に戻って来ても(笑)、いつか白い封筒が届くことを信じて。

           作品を示しながらの講義風景

 

 

       参加者の熱心な質問にも丁寧にお答えいただきました。

 

 

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◆福田健太郎先生のスライド&トークセミナーが開催されました。

テーマ「美しい日本の風景を巡る旅・写す楽しみ」

 

日時:令和6年1月20日 14:45~16:30

場所:日立システムズホール仙台 3階 エッグホール

講師:プロ写真家 福田 健太郎 先生

 

  恒例の東風協セミナーは今年も東風協会員以外の方々の受講も受け入れ会場満席で開催されました。

 福田先生は明るく気さくな笑顔で登壇し、「本日のセミナーのために100枚ほどの写真を用意してきました。時間が足りるかな…」と冒頭におっしゃられた通り、「潤沢」と言えるほど多数の素晴らしい作品についてコメントを付しながら紹介され、とても贅沢な時間を参加会員に与えてくれました。

作品を示しながら解説する福田先生(マスクの方です)

【以降は編集者の個人的感想が入っています】

 講演では先生のプロフィールの紹介に始まり、ご自身が追い求めているもの、それを被写体と対峙したしたときにどう表現しているかなどを、具体的な作品をプロジェクターで映し出しながら解説いただき、私たちアマチュアが撮影に臨んで何を大切にするべきかなどレクチャーいただきました。

 詳しい内容は3月発行の会報にて報告されると思いますが、強く印象に残った言葉は最初に述べられた「基礎を深く理解すること」。写真撮影は基礎の繰り返し、そこから応用・発展へと広げていくんだ、という言葉は「いいね」を狙ってやたらカメラの新機能に頼ったり、覚えたての珍しいテクニックに走りがちな自身の姿勢を省みる機会となりました。「撮影時に選択する基本の11」は確かに知ってはいる知識ですが、改めて整理・意識して撮影に臨んだことはなく、きちんと頭の中に置いておきたいと思うテーマでした。

 講演後は質疑応答の時間が設けられ、会員の撮影活動の悩みや撮影行の臨み方などが受講生から質問が相次いで出され、先生の真摯かつ丁寧なアドバイスを受けることができました。

 それにしても見させていただいた作品の数々はどれも素晴らしく生命を慈しむ先生の気持ちが溢れるものでした。一方、貴重な風景・動物との出会いの瞬間は、ご自身は「私はもっているんです」と仰られましたが、「(同じ場所で)こんな時(早朝)から撮っています、まだ撮っています(日中)、こんな時まで撮っています(夕暮れ・夜中)」という時間帯を意識する例として出された作品を拝見し、やはり日ごろの努力の賜物なんだなぁと納得したものです。

 セミナー後の懇親会の席でも参加者の無茶ぶり的な質問・話題にも笑顔を欠かさず丁寧に応じていただき、先生の人柄を実感した充実した楽しいひと時でした。

  

受講者との質疑応答風景

セミナー修了後先生と一緒に! 写真は3月の季報に同封します。

懇親会で先生を囲んで”乾杯”

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◆米美知子先生のスライド&トークセミナーが開催されました。

テーマ「美しい日本の情景を探して」

 

日時:令和5年1月29日 14:45~16:30

場所:日立システムズホール仙台 3階 エッグホール

講師:プロ写真家 米 美知子 先生

 

  当セミナーは東風協会員以外の方々の受講も受け入れ会場のエッグホールは満員となり、追加の椅子も搬入し開催されました。

 米先生がお馴染みの明るい笑顔で登壇し、自己紹介を兼ねた最初のご挨拶ではご自身のルーツ(ご両親)が宮城県出身であることが明かされると会場の受講生のハートはギュッとわしづかみにされ、どよめきが起きました。 

 講演は先生の作品をプロジェクターで映し出しながら、風景写真の撮影にあたって被写体とどう対峙し、何に気を付けながらどう撮るかといったことをテーマに、構図・絞り・シャッタースピード・ISO等多岐にわたり風景写真に欠かせない知識をレクチャーいただきました。また、PLフィルターやハーフNDフィルターの使い方、ハレ切りのための傘の用い方など実践的なお話を伺いました。さらには新型コロナ禍で県跨ぎ移動が限られるという状況の中、近所の公園などを巡る「お散歩写真」での作品作りのご体験などをご講演頂きました。

 詳しい内容は3月発行の会報にて報告されると思いますが、全体を通じて印象に残った言葉は「現場主義」。カメラを三脚に乗せ、構図や露出・フィルターワークなどを試行しながら、現場で写真をできるだけ完成させるということの大切さです。「現像ソフトが高性能となりRAWでチャチャっと撮ればあとでいくらでも調整ができるという人もいるが、後になってのPCでのレタッチは記憶色に頼らざるを得ず、やりすぎたり不自然となることが多い」と身に覚えのある点の指摘もあり、真摯に被写体に向き合う事の大切さを改めて認識した講演でもありました。

 講演後は質疑応答の時間が設けられ、日ごろ疑問に思っていることや苦労している点などが受講生から出され、先生のアドバイスを受けることができました。 

 米先生は近年Youtube配信にも力を入れておられ、ここでは撮影現場での考え方や撮影術を知ることができるので、このセミナーに合わせYoutubeをご覧になると、より一層理解が深まると思われます。

 米先生からは「チャンネル登録よろしくネ 」とのことでした。

「Youtubeをご覧になったことある方?」「は~い

 

 最後に米先生を中心に全員で記念写真を撮りました。

参加された会員の皆様にはこの写真を「東風季報63号」に同封しお送りします。

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2022年に開催されました椎名亮介先生の「冬景色・撮影ポイント」のレポートと2019年に行われました「信州撮影会」の模様を掲載しています。

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